ビザスクの情シスが激動の2020年を振り返る

ビザスクのITチーム(情シス)のみともりです。

全世界にとって激動の年になった2020年ですが、ビザスクのITチームである我々にとっても大きな転換期になった年でした。

コロナ禍においてリモートワークが当たり前の状況になり、オフィスに出社することが難しい状況でビジネスを行っていくために、必然的にデジタルトランスフォーメンションが加速することになりましたが、それにより社内ITが更にビジネスにとって重要になったのではないかと思います。

ビザスクに限らず各社の情シスの方々は、日々変わる状況に対応するために創意工夫を凝らし、限られたリソースのなかでなんとか事業継続のために踏ん張っていたのではないでしょうか。

情シスの方も、もちろんそれ以外のみなさんも、本当にお疲れ様でした。

かく言うビザスクでは、経営陣による社会情勢に応じた迅速な経営判断や社員全員の頑張りの甲斐もあって、ビジネスとしては順調に成長することができています。

そして、そのビジネス活動の基盤の一つである社内ITをITチームがどうやって支えていたのかを、反省点も含めて1年を振り返ってみたいと思います。
普段はあまり知ることのない、情報システム部門は裏方としてどんなことをしていたのか、少しでも知っていただけたら幸いです。

なお、主に情シス目線なのでいきなり専門用語が出てきたらごめんなさい。詳しく知りたかったらググってみてください。

1月 – 新年

新メンバーJoin

まだコロナは海の向こうの話題だったころ、ITチームに新メンバーがJoinしてくれました。私と同い年でソフトスキルが高い方です。
その頃、ちょうどオフィスの増床計画が動き出していたので、今後の進め方から業者との交渉・社内調整等を一手にお願いさせてもらいました。

総合的なチーム体制としては、新メンバーがプロジェクト的なタスクをメインで担当し、私がヘルプデスクやアカウント管理などの定常業務をメインで担当しつつ、手が出せる範囲でいろんなボールを拾っていく、と言う感じです。

後で思えば、ここで社員2名体勢になったことは非常に大きかったです。ひとりだったらどうなっていたかと考えるとちょっと恐ろしいです。。

2月 – 年度末

年度末の慌ただしさと予兆

ビザスクの会計年度は2月末締めなので、予算に関するあれこれや、組織改編の準備、急遽発生したIT備品の調達などで私はずっとバタバタしていました。

増床も新メンバーを中心に引き続き動いていましたが、入社したばかりには見えない調整力でプロジェクトを進めてもらう傍ら、しっかりとオンボーディングもすすめるという状況で、忙しい中でも早速チームとしての動きが固まりつつある状況でした。

そんな中、ついに日本でもダイヤモンド・プリンセス号でコロナが蔓延し、日本各地でも徐々にコロナ感染者が発生し始めていました。このあたりで社内でも「なにか大変なことが起こりつつある」という空気になっていたと思います。

Zapier導入

社内ITとしては、それまで社内で自由に使える自動化ツールとしてGoogle Apps Scriptが良く使われていたのですが、いわゆるローコードに分類されるツールとはいえ結構しっかりコードを書かないといけないので、事業部門にはなかなか浸透せず課題感がありました。

様々なソリューションを検討した結果、ノーコードツールがいいぞ!という結論になり、その中でもビザスクで導入しているSaaSと相性が良いZapierを導入することにしました。

3月 – 株式上場

会議のオンライン化

日本でもどんどんコロナ感染者が増えていく中、会議は徐々にビデオ会議に移行していき、ビザスクでも全体会議は原則Zoomで実施するということに決まりました。出勤者はオフィスの自席でZoomに参加する形式です。

自席から参加する場合はハウリングや音漏れ防止のためイヤホンを使ってもらう想定だったのですが、イヤホンは基本的に私物を使ってもらおうかな(みんな持ってるでしょ?)と考えていました。
しかし、ちょっと周りに聞いてみたところそもそも私物のイヤホンを会社のPCで使いたくないという声もあったため急遽Amazonで大量購入しました。
結果的にみんな「使いたい!」と一瞬でなくなったので、買っておいて良かったです。

イヤホンマイクを大量に購入

更に、社内外のコミュニケーションが今後ビデオ会議メインになるということが予想されたので、一部の社員のみがProプランを利用していたZoomをBusiness プランに変更し、SAML SSO(シングルサインオン)とJust In Time Provisioningを設定しました。
これにより社員なら誰でも初回SSOログイン時にアカウントが作成され、Slackのスラッシュコマンド /zoom で簡単にミーティングを開始できるようにしました。
ちなみに、基本的にはFreeプラン(無料)で、必要に応じて有償ライセンスを割り当てる運用にしたのですが、こうすることでFreeプランながらZoom上のセキュリティ設定を強制することができるというのがとても便利ですし、すぐZoomを使い始められることによりシャドーITの抑制にも繋がります。

ビザスク上場

2020年3月10日、この日は会社にとってビッグイベントである株式上場が予定されていたのですが、なんと、東証での上場セレモニーがコロナの影響で中止に。。
個人的にもかなりショックでしたが、さすがビザスク、社員のとても前向きで力強いパワーにより、自社内でセレモニーを開こう!ということになり、時間がない中でも計画の見直しがどんどん進み、結果的にとても素晴らしい節目の日になりました。

詳しくはこちら
「3月10日、マザーズ上場!怒涛の一日を振り返る」
https://square.visasq.com/n/n8f8795282833

ITチームとしては、上場を機により一層のITガバナンスの適切な運用が求められるいうことで、その責任感で身が引き締まる思いでした。

社内セレモニーで使った鐘

中国での感染爆発の影響

また、そのとき一番コロナが猛威を奮っていた中国では工業生産や物流が滞ったことで、発注したPCの納期が2ヶ月まで遅延するという自体に。。
そのせいで新入社員用のPCの納品が間に合わず、(後述しますが)出社が難しいということでPCを自宅に発送することになっていたのですが、止むを得ず中古の遊休機を届けることになってしまいました。(しかも苗字が似ていた佐藤さんと加藤さんのPCが入れ替わって送ってしまって大混乱)

反省点としては、新モデルの発売待ってから発注をかけようとして発注が遅くなってしまったのがまずかったです。。毎年3月4月あたりは入社者が集中するので、新モデルには惑わされずに調達すべき、ということを胸に刻みました。(そして佐藤さん加藤さんごめんなさい)

やっと入荷されたPC。この後車で持って帰り、ひたすらキッティングした。

4月 – 緊急事態宣言

緊急事態宣言が発令される直前、小池都知事の会見を受けビザスクでも全社的なリモートワークへ移行することが決定しました。
それに伴い、社員が自宅で快適に業務を行えるように我々ITチームが急ピッチで準備することとなりました。

PC周辺機器の配送

自宅で作業するにあたり、一番業務効率に影響するのがモニターの有無です。特に事業部のオペレーションは扱う情報量がとても多く、ラップトップの1画面だけではタブの切り替えやスクロールが多発して非常に効率が悪くなります。
その他、マウスやキーボードなど生産性に直結するものは希望者の自宅に配送することになりました。

配送先住所や何を希望するかはSlackのワークフロービルダーを用意し、申請された内容が自動でGoogle SpreadSheetに保存されることで配送漏れの防止や貸与状況を管理しやすくしました。

現在もディスプレイのみは配送を継続している。当初はキーボードやマウスを選択する項目があった。

ちなみに、このワークフロービルダーは全社リモートが決まった深夜に連絡を受けてから1時間で完成させました。そのおかけで次の日の朝のアナウンスの際にこのフォームを案内することができたことで、配送依頼も混乱なく受け付けることができ、迅速に機器を配送することができました。

なお、最初はオフィスにあった在庫を手作業で発送していましたが、在庫が捌けた後はAmazonから直接発送する方式にしたので手間はかなり減りました。

オフィスからモニタを発送するために準備するチームメンバー

自宅のインターネット環境整備のサポート

自宅にインターネットの固定回線を契約している人はオフィスと同じようにすぐ業務を継続することができたようですが、問題は自宅では(通信上限が少ない)モバイルルーターを利用していたり、そもそもスマホ以外の通信機器が無いという方です。
そういった自宅の通信環境が十分ではない社員には個別にモバイルルーターを貸与するという対応にしました。

しかし、この時期は他の企業も同じことを考えていたようで、モバイルルーターの在庫が極端に枯渇しており、契約していた携帯キャリアからもモバイルルーターの納期は未定という返事が返ってきていました。

どうしたものかと頭を悩ませて居たのですが、一部の社員からの「仕事にならないです・・」という声が止まないため、なんとか携帯キャリアに特別にSIMカードだけを契約させてもらい、Amazonで購入したSIMフリーのモバイルルーターに差して運用するという苦肉の策に出ました。

「よし、これで解決」と思ったのも束の間、月末に近くなったある日、「モバイルルーターの通信が遅いです!」という問い合わせが。
確認したところ、通信量がプランの上限に達しており、通信速度が256kbpsに制限されてしまっていたのです。。
急遽プランを変更するも、変更が適用されるのは翌月からとなっていたため、月が変わるまでの数日間は、1GBずつ手動で追加するという非常に辛い作業が待ち受けていました。

なお、現在は自宅に固定回線を契約した社員も増えたことで、通信環境に課題がある方は少なくなっています。

ヘルプデスク対応について

フルリモートになったため、ITチームへの問い合わせ対応が大変になったかというとそうでもなく、問い合わせ対応はいたってスムーズに処理することができました。
理由としては、元々一部のメンバーは既にリモート勤務を実施していたということもあり、Slackのみでのコミュニケーションが浸透していたということや、こちらの記事にある通り、SlackワークフロービルダーとZapierでヘルプデスク業務を効率化していたというのも大きいです。(作っておいてよかった)

新入社員の準備

新入社員も出社することができないため、入社初日から自宅でのリモート勤務となりました。ということで普段はオフィスで渡しているPCも、新入社員の自宅に配送する必要がありました。
ここで新品のPCを送るのであれば、納品された箱に入れてそのまま発送すれば良かったのですが、前述した通り新品のPCの調達が間に合わず、急遽遊休機を送ることになりました。
発送にはヤマト運輸のパソコン便(専用の段ボールを持ってきてくれる)を依頼したのですが、同じようにPCを発送する企業が急増して、専用の段ボールが全く手に入らなくなりました
ヤマトの営業所まで直接専用段ボールを買いに行ったり、有り合わせの段ボールに梱包材などを駆使して梱包し、なんとか入社日に間に合わせることはできました。

PC専用のBOX。使い勝手がいいので何度も使いまわされている。

そして業務で使う各システムのアカウントもITチームの仕事なのですが、初日のアカウントセットアップ時にフォローが難しいことが予測できたため、社員に作成した全アカウントを使ってITチームが予めログインしておくことにしました。
初回ログイン時に特定の手順が必要なものもあるため、こうしておくことでログインできないというトラブルはほぼゼロになりました。
もちろん手間はかかりますが、入社人数は毎月数人という規模だったので、いつでもサポートできるように待機する必要がなくなったので結果的にはこの仕組みは成功でした。(もちろん今後は要検討)

5月 – フルリモート継続中

リモートワークのコミュニケーション

激動の4月が終わり、GWを挟んだあたりでは全社的なリモートワークも大きな問題もなく、徐々に日常として馴染んできていました。
この頃には機器配送のオペレーションも確立してきて、ITチームの負荷も落ち着いてきた頃でしたが、新たな課題として出てきたのはリモートワークならではのコミュニケーションの取りづらさでした。

オフィスに出社していれば、周りが忙しいのか・そうではないのかと言う状況がすぐわかるため、ちょっとした疑問点も気軽に聞いたり、雑談から新たなアイディアが生まれたりということがありましたが、全てモニタ越しのコミュニケーションとなったため、コミュニケーションのハードルが上がり、言うなれば閉塞感が漂い出したのがこの頃でした。

事業部門では、チームメンバーは全員Zoomミーティングに常に入っておいたり、専用のオンラインコミュニケーションツールを使ってみたり、エンジニアも某ゲーム用ボイスチャットサービスを試しに使ってみたりと、なんとか業務オペレーションの品質を落とさないように工夫をしていましたが、ここで問題になったのはPCスペックでした。

PCの必要スペック

もともとPCのデリバリーに関しては「エンジニアは最高スペックを、事業部門のメンバーのPCは(持ち運びが多く故障率が高いので)最高スペックよりも一段低いものにするが、不具合がでたら即交換」というポリシーで運用していましたが、Zoomなどの高負荷なアプリケーションを起動しつつ業務オペレーションも実施する、というシチュエーションに耐えうるスペックではありませんでした。コロナ禍によって最低限の必要スペックが上がってしまった瞬間でした。(つらい)

なお、この頃もPCはオフィスに納品されていたので、たまに車で出社して家に持ち帰るという形で、ITチームもほぼリモートワークでした。
ちなみに、高速代を会社から出してもらえるということだったので首都高を使って出勤していたのですが、晴れの日に空いているレインボーブリッジを渡るのはめちゃくちゃ気持ちよかったです。自動車通勤がちょっと癖になりそうでした。

意外と傾斜があるので軽自動車ではちょっと辛い

6月 – 出社一部再開

出社とリモートのバランス

緊急事態宣言が解除され、コロナ感染者もピークアウトしてきたことから、出社が一部再開することとなりました。(緊急事態宣言下では出社は原則禁止)
ところがその直後に東京アラートが発令されたりと、引き続き公衆衛生の観点からはまだまだ安心できない状況だったため、各個人の判断で引き続きリモート勤務も可能という柔軟な体勢となりました。
これ以降はコロナ感染者の増加傾向や公的機関からの要請等などを鑑み、出社とリモート勤務のバランスを細かく調整することが続いています。(現在も継続中)

AzureADの導入

システム面で言うと、以前から進めていたIdP(IDプロバイダ)のAzureADへの切り替えを実施したのもこのタイミングでした。
IdPを導入すると、様々なSaaSで同じクレデンシャル(ID/PWなど)を使ってログインできるようになるので利便性が向上しますし、IdPで一元的にアクセス制御も可能になることでセキュリティも向上します。

ビザスクでは既に別のIdPを利用していましたが、リモートワークが今まで以上に浸透することが見えていたことから、ゼロトラスト型セキュリティの実装を進めるためにAzureAD+Intuneの構成での導入に舵を切りました。

Azureはエンタープライズ向けのソリューションだという認識だったので、導入のサポートを外注しようと思っていましたが、諸々の事情により完全に社内だけで導入・展開を実施することになりました。。
最初はどうなることかと思いましたが、夜な夜な検証に明け暮れ、Microsoft公式の独特な翻訳のドキュメントを読み解きながら、チームメンバーと「なんやねんこの挙動」とか言い合いつつもなんとか大きな問題も無く社内に展開することができました。
もちろん大変でしたが、こういうカオスさを楽しめるのはスタートアップならではだなと思いました。

四半期MVP

そしてこの月、とても嬉しいことがありました。
ビザスクでは、四半期毎にビジネス部門/エンジニアからそれぞれMVPが選ばれる仕組みがあるのですが、なんと!ITチームがエンジニア枠のMVPに選ばれました!(私とチームメンバーの二人)

MVPのトロフィー。実は私は2度目の受賞(ドヤッ)

こういった状況のなか、ビジネス活動が減速しないようにどうすれば社員が快適にリモートワークができるか、また新入社員の入社準備やPC故障時の対応など、社内ITのサービスレベルをリモートワークの中でいかに維持していくかということを常に考えていたため、あっという間の第一四半期でしたが、MVPに選ばれて嬉しかったというのはもちろん、ITチームが「こうすれば社員の皆のためになるのではないか」と思って判断して行っていた様々な施策の成果は社員にちゃんと届いていたんだなということにほっとしました。

7月 – 増床完了

そういえば増床は…

ここで思い出して欲しいのですが、今年1月から本格稼働していた増床プロジェクト、あれはどうなったと思いますか?
そう、緊急事態宣言下でもしっかり動いていました。

工事予定時期がちょうど緊急事態宣言とぶつかってしまいどうなることかと思いましたが、誰も出社しないおかげでスムーズに工事が進んだと言う面もありました。ただし状況が刻々と変わる中、諸々の調整のために八方にメールやSlackをバシバシ投げるような状況で本当に大変でした(チームメンバーが)。ほんとにお疲れ様でした。

工事中の様子(4月に実施)

工事も終わり、後はデスクの移動などのレイアウト変更を残すのみでしたが、誰も出社できない状況だったため、デスクに私物などが残ったままで移動できず、レイアウト変更はしばらく延期になっていました。

そして多少は出社できるようになってきたことで、社員にデスクの整理をお願いし、この月にやっとのことでレイアウトの変更を実施することができました。
いや、本当に長かった。

電話のアレコレ

増床に関連して大変だったことの一つが固定電話機の再設置です。

ビザスクではプロフェッショナルファーム(いわゆるコンサル会社など)の方々からスポットコンサルの案件をご依頼頂くことが多いのですが、そういった方々は非常にタイトなスケジュールで稼働しているため、リアルタイムにやりとりできる電話を使うことがそこそこあります。
主に電話の取次をスムーズにするという理由で固定電話機をデスクに設置(計40台程)していたのですが、デスクレイアウトの変更により各デスクへのLANケーブルの引き直しが発生する必要がでてきました。

そしてここで一つ失敗がありました。LANケーブルの配線はデスクを使い始める前にやるべきでした。

他のタスクが忙しかったこともあり、配線はちょっとずつ進めればいいかな?と思っていたのですが、実施やってみると既に利用中のデスクに配線するのはめちゃくちゃ大変でした。(既に設置してあるモニタなどが作業の邪魔になってしまうことに。。)
具体的には10席にケーブルを配線するのに2時間はかかりました。
しかも事業部のメンバーは席替えが多かったので、電話機の実数より多くの席に予めLANケーブルを配線しておく必要があったため、数日に渡り配線をすることになりました。(休日出勤は嫌だったので皆が帰ってからちょっとずつ実施しました)

そしてこれは後述しますが、オフィスのフリーアドレス化を推進することになり、そもそも固定電話機は廃止することになりました。。
電話関連は本当に反省ばっかりです。また別の機会にそちらの記事を書きたいと思います。

使っていたSIP固定電話機

会議室管理

他に増床関連で変更したことというとACALLの導入です。
すでにオフィスの受付では別のサービスを利用していましたが、会議室の効率的な活用のために会議室のスケジュール管理機能が豊富なACALLに乗り換えました。
全ての会議室にiPadを設置し、入退室の際にはiPadの画面をスワイプしてチェックイン/アウトする運用にしたことにより、利用しない場合や早く終わった場合は会議室のリソースを開放することができるようになりました。

終わりに近づくと赤くなる。予定より早く終わった場合は下のスライドをシュッとすると解放される。

8月 – Jamf Pro導入

真夏にもかかわらず猛威をふるい続けるコロナにうんざりしつつも、着々と社内ITの改善を続けます。

Jamf Pro

そう、Appleデバイス管理のデファクトスタンダードになりつつあるJamf Proをついに導入しました。導入サポートであるJumpStart自体は7月に実施しましたが、実際に会社デバイスに適用したのは8月に入ってからでした。
最初の検討から考えると長い道のりでしたが、これでリモート環境下のデバイスに対しても安定して管理できるようになりました。

ちなみにJamf Proでこんな仕組みを作り込んだりもしていました。

macOSを社内標準に

ビザスクではこれまで入社時は「WindowsかmacOSの好きな方を選んでください」と案内していましたが、この辺りから「基本はmacOSですが、Windowsのほうが業務効率が良い場合はそちらでもOKです」という方針に変えました。

macOSとWindowsの割合は4:6程度だったのですが、調達に関する手間や管理コストが単純に倍になっていたため、どちらかに寄せようということを以前から検討していました。そしてこの辺りのタイミングで、ThinkPadのあるモデルの特定の構成が数ヶ月で終売してしまった(時間をかけて選定したのに。。)ことや、Jamf Proの導入をきっかけに、比較して安定して動作する上にあえて機種の選択肢がほぼ無いmacOSを社内標準として推進することとしました。とにもかくにもこれで選定のコストはかからなくなりました。

それ以外にも、Windowsの場合はType-Cアダプタの相性問題やドライバ起因のトラブルが発生することが多く、その分対応コストがかかっていたということも大きいです。

また、事前に社内にヒアリングも実施していましたが、実はそんなにWindowsではないと駄目な理由が無いことが分かり、CEOからも「Macでいいじゃん!」と背中を押してもらえました。

もちろんWindowsは大好きですし(会社での私のメインマシンはWindowsです)、いろいろカスタマイズするのは大変ワクワクするのですが、将来的な社内ITの構想のボトルネックになると考えたのでこういう判断をしました。
ちなみに、開発マシンがWindowsだったとしたら全社的にWindowsに寄せていたと思います。

会社携帯のMNP

リモートワークにより会社支給のモバイル回線(スマホ/モバイルルーター)でインターネットへ接続する社員が増えたことにより、以前と比べて通信費用がかなり増加してしまっていました。
ITチームとしては、こういったコストは可能な限り抑え、新たなIT投資に回さなくてはいけないので、コスト増加を察知してすぐさま動き始め、コスト削減のために携帯キャリアを変更することにしました。(およそ2/3に削減)
もちろんその間もリモートワークを選択する社員もいたので、その方には新しい携帯を自宅に配送しました。

9月 – 自由出社継続

全体会議も試行錯誤

3月頃から全体会議もZoomで実施していると前述していましたが、自由出社ということで徐々にオフィスに出社する人数もちらほらいることから「オフィスにいる人には直接顔を見て声を届けたい」という意見の元、ハイテーブルにPCとスピーカマイク・PAセットを置いて、簡易配信設備を作ったりしていました。

ハンドマイクを使ってスピーカーから声を出して、オフィスにいる社員は自席にいながら聞く、そしてZoomにもその声を流すというスタイルで暫く運用していましたが、間に合わせの機材で準備したにしては結構うまく行ったと思います。

Dialpadの導入

社内でのIP電話に求める機能が変わりつつあったため、現行のサービスからDialpadへの移行を始めました。具体的には内線番号による電話の転送が不要になったのが理由です。Dialpadは他のサービスに比べて設定が圧倒的にわかりやすいのでお勧めです。(本当はZoom Phoneも気になっていましたが。。)

以前使っていたSIP電話機(KX-HDV130)をDialpadで使えるように試行錯誤したことでちょっぴりSIPについても理解することができました。

社内wikiの移行

これはあまりコロナとは関係ないのですが、このあたりで社内Wikiの移行を行いました。今まで非階層構造のサービスを利用していたのですが、非常に記事が見つけづらく、既存の記事に気づかず重複した内容が投稿されることが増えていたため、階層構造であるesaにデータを全て移行しました。

移行しました、と簡単に書きましたが死ぬほど大変でした

既存の社内wikiサービスは、ビザスクが創業間もない時期から導入していたものだっため記事は約10,000個以上も存在していました。そしてそれをそのまま移行してもユーザーがその状態からどうやって階層にするかを考えるのは難しいのではないかと考え、結果的に約10,000記事の階層構造を私が全て考えることにしました。
経験上こういった決め事は個人の好みが分かれる部分なので、誰かと分担することによるオーバーヘッドを考慮した結果です。

具体的には、記事を見て階層を考えて分類して、ある程度見終わったらもっと適切な階層構造にならないか見直して、再度ひたすら記事を見直して。。ということを1ヶ月くらい続けてやっと分類が完了しました。正直もう二度とやりたくはないです(笑)

この記事を書いている今で3ヶ月ほど経ちましたが、社員が記事を投稿する際に階層構造を自然と意識してくれるようになり、以前より記事を見つけやすくなり想定通りの効果が出ていると思います。(加えて利用料金も下がった)

おそらく数年後にはConfluenceやNotionなどへの移行が再度検討されると思いますが、今回より大変なことはそうないと思います。(思いたい)

10月 – オフィスのキャパシティ

無線LANの限界

10月になると、オフィスに出社する人数が少しずつ増えてきたことにより、オフィスの無線LANが不安定になることが頻発し、なんらかの対策が必要になってきました。調査したところ、リモートがメインの時期も順調に社員数は増えていたので、単純にキャパシティの限界でした。

こういう場合は単純に無線LANのAP(アクセスポイント)の数を増やせばよいわけではなく、電波の干渉を減らすためにDFSも考慮して利用する周波数帯を調整したり、AP同士の距離やPCを持ち運んだ際に遠くのAPにつながったままにならないように電波強度を調整したりとチューニングの難易度が高いです。また、APのメーカーやPCの無線LANモジュールの相性もあったりして不調の原因がわからないことも多いです。

全てのデスクに有線LANを引くことも検討しましたが、再度のデスクレイアウト変更などの可能性を考えるとコストをかけて全席にLANケーブルを引くことは躊躇われました。
とりあえずということで、定期的なAP再起動や周波数帯の変更など、暫定的な対策を実施している間にまた出社人数が減ってきたことから、根本的な対策は先送りになりましたが、ネットワーク品質に関してはどこまでコストをかけるべきかは引き続き課題となっています。

配信ブース

マーケティング手法もオンライン中心となり、Webinarも実施するようになってきたことからZoomのWebinarライセンスを購入しました。ちなみに参加者上限によってWebinarライセンスの費用が変わるのですが、100人超えから急に高くなるのでたまにしかWebinarやらないならこまめにライセンス切り替えた方がよいです。
ビザスクのWebinarも最初はPCのカメラを使って配信をしていたのですが、対談形式のWebinarもやりたいいうことになり、機器の選定やセッティングなど配信ブース設営のサポートも行っていました。

設営途中の様子。いろんな情報を参考にしつつ試行錯誤していました。

11月 – 第三波

フリーアドレス

再度感染者が増加してきたことで、全社員が出社できるまではまだしばらく先のことになりつつあったこの月ですが、そろそろオフィスのキャパシティについて検討が必要になってきました。
増床によって座席数も増えましたが、来年にも自分専用のデスクが貰えない社員も出てくるということや、全社員が出社しないとしてもソーシャルディスタンスを確保するためにもフリーアドレス化を進めていくことになりました。

Zapier利用の広がり

今年度の始め頃に導入したZapierですが、利用者も増え社内での活用が進んだ結果、ついに毎月の実行上限に達してしまいました。
こんなに早く実行上限に達するとは想定していなかったため、急遽プランを変更することとなり結構焦りました。とはいえITチームが主導して導入したサービスが活用されているのはとても嬉しいです。

チームメンバーがどうやってZapierを広めたかはこちらも読んでみてください
「非エンジニア社員も自ら業務を自動化!Zapierを駆使しバツグンに生産性向上をした話」
https://square.visasq.com/n/n73f5dcef8734

12月 – 師走

セキュリティの見直し

この月の前月にはAppleからmacOS Big surやM1チップが発表され心が踊ったのですが、それと同時に課題も顕在化しました。
この時点で導入していたmacOSのエンドポイントセキュリティがBig surおよびM1チップへの対応予定が未定だったのです。。

今後macOSの割合が増えていくというロードマップを考えている中で、もっと迅速に最新バージョンに対応して安定して動作するものにしないと管理コストが増加すると共に、以前からパターンファイル型のアンチウィルスではなく、コンピューター上の振る舞いを検知する方式ではないとセキュリティ対策としては十分ではないと感じていたので、EDRであるJamf Protectへの乗り換えとSIEMの導入を検討しました。

この記事を書いている現在もまだトライアルを行っている段階なので、導入できるとしても来年になりそうです。
もしうまく導入できたらそれもブログ記事にしたいと思います。

来期予算の策定

コロナ禍で色々あった2020年も後半になり、そろそろ来年度のことを考える時期がやってきました。
事業部の予算ありきではあるのですが、コロナ禍で不要になったIT費用はバッサリ削減し、ビジネスに効果的な部分に集中してIT投資ができるような計画を鋭意作成中です。
具体的にはセキュリティ対策としてCASBの導入や、業務プロセスのワークフロー化も視野に入れた稟議ワークフローシステムのリプレイスなどを考えています。

最後に

怒涛のように過ぎ去った2020年でしたが、Twitterなどで他社の情シスの方の投稿を見ていると、元々オンプレミスのシステムがなかった当社の社内ITは相当恵まれていたんだなと思いました。
そのおかげでコロナ禍で負荷が高い中でもいくつかの新たなIT施策を進めることができましたし、全面的なリモートワークへの移行も比較的スムーズでした。

もちろん経営層も全面的にITチームをバックアップしてくれましたし、社員の皆もITチームがリモートワークの準備に集中できるように、自分たちで解決できそうなトラブルは自己解決する努力をしてもらっていたおかげだと思います。

歴史のある企業の社内ITはまだまだ出社前提で考えられていたものも多いはずですし、そういった企業の情シスの方は本当に厳しい戦いを強いられていたのではないかと思います。

ですが、私も含めてこの激動の2020年を走り抜いてきた経験は得難い物だと思いますし、なにより、社内外の変化にどう追従するか、そしてどうやって先手を打つべきだったのかということをすごいスピードで体験できた、そんな1年だったのではないかと思います。

ビザスクでも、まだまだITチーム自体の効率化や全社的なセキュリティ対策はもちろん、プロダクトでカバーできないビジネスオペレーションのIT化など、やるべきことはたくさんあるので、来年も「今年は成長できたな」と思えるようにがんばっていきます。

こまめにアウトプットしようと思ってなかなかできていなかったため、年の瀬でやや詰め込みすぎな記事となってしまいましたが、読んで頂いた方がなにか得るものがあれば幸いです。

それでは来年もよろしくお願いします。

エンジニアを募集しています

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ご興味のある方は下記よりお気軽にご連絡ください。