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CleanShot Xのトライアルから導入までの取り組みと工夫

5月に入社した、ITチームの@enpipiです。 今回はCleanShot Xのトライアルから導入までの取り組みと工夫についてご紹介します。

1. CleanShot Xトライアルから導入の背景

ITチームでは、ヘルプデスクやドキュメンテーションスクリーンショットを多用しますが、MacOS標準のツールは使いにくく業務が煩雑でした。私はCleanShot Xを長年愛用しており、その高い利便性を社内でも広めたいと考えていました。

2. CleanShot Xとは

CleanShot Xは、MacOS専用の高機能かつ使いやすいスクリーンショットツールです。キャプチャ、編集、共有がシームレスに行えるため、ヘルプページの編集からチャットベースのやりとりで図示する際に特に役立ちます。詳しくは私のnoteをご覧ください。

note.com

こんな画像を簡単に作ることができます。

CleanShot Xを用いて編集したスクリーンショットのサンプル

App + Cloud Proプランについて

CleanShot XにはApp + Cloud BasicとApp + Cloud Proがあります。Cloud BasicはLicense Managerを使った端末ベースの管理で個人向けを想定したプランです。対してCloud Proはユーザー管理ができ、細かな制御が可能です。

ビザスクではApp + Cloud Proを採用しました。詳しい比較はCleanShot X – Pricingで確認できます。

Webアップロードを禁止制御できる

CleanShot Xは専用クラウドストレージにアップロードし、リンク共有できる機能があります。Cloud Proではアイコンやドメインを変更でき、パスワード付きで共有も可能です。これによりポリシー上容認できるチームには利便性が向上します。

ビザスクではパブリックリンクの共有を禁止し、クラウドストレージも一元管理しています。これによりアップロードを制限しました。

Webアップロードを制御した場合の挙動

本機能は設定画面にはなく、問い合わせることで対応できるオプションです。


SSO, JITプロビジョニングの利用ができる

Cloud Proから利用できるTeam機能

Cloud ProではTeamを作成し、ユーザー招待でライセンスを管理します。 SAMLによるSSOが可能で、招待リンクをクリックするだけで自動でアカウントが作成(JITプロビジョニング)されます。これによりユーザーは簡単に利用を開始できます。

ユーザーにとっては利用開始が簡単で、端末交換時の対応も容易です。管理者にとってはIdPで統制できる利点があります。

3. トライアルの開始

CleanShot Xにトライアルを申し込み、1ヶ月の期間をいただきました。ライセンスも多めにいただけたので、社内でトライアルを募集し、初回は10名、最終的には27名が参加しました。

トライアルを雑談チャンネルで募集する様子

1ヶ月のトライアル期間の成果を最大化するために

私はフルリモートで働いているため、対面でのフォローが難しく、頻繁なMTGやSlackでの手順説明は煩雑で離脱率も高くなりそうでした。そこで、オンボーディングのセルフサービス化を実施し、Slackチャンネルを活気づけることにしました。

1: 最短で全員にアクティベーションを促す

CleanShot XはMacアプリなので、インストールとアクティベーションが必須です。初期は誰がアカウント作成まで対応したか管理画面を毎日確認してメンションしました。前述したJITプロビジョニングによりOktaで事前にアサインしておけば、招待リンクをクリックするだけで自動でアカウントが作成されるためアクティベーションはスムーズに進みました。

毎日メンションしてアクティベーションを促す様子

2: チャンネル参加からスムーズなトライアル開始

注意事項と期待値調整のためのフォームを作成し、Slackワークフローで事前に了承を得ました。申請すると通知が来るので、Oktaでアサインが完了するとトライアルチャンネルで通知が届きました。

トライアルチャンネルに参加するとワークフローがフォームから申請を促すように

トライアル準備が整ったらオンボーディング開始

3: 初期設定からHowToをセルフサービス化

CleanShot Xの初期設定や機能を試せるスターターキットを用意し、基本的な使い方から高度なテクニックまで個人のペースで段階的に学べる環境を提供しました。

個人事に生成されるスターターキット。esaのテンプレート機能を活用

4: コミュニティを盛り上げる

オンボーディングだけでなく、コミュニティ作りも意識しました。チャンネルが過疎化すると躓きポイントが見えにくくなるためです。

不定期でTipsを投稿

CleanShot Xの活用Tipsを定期的に投稿し、情報共有を促進しました。予約投稿やSlackでの実際の利用傾向を見て選定したTipsを提供しました。

不定期で投稿したTipsの例。週に2回程度を意識して投稿

CleanShot Xお触り会の開催

任意参加のワークショップを開催し、交流を促しました。最初は無反応でしたが、最終的には多くのメンバーが参加し、アクティベーションのフォローもできました。忙しくて自分でなかなかできなかった方も参加していただたり、会話でしか拾えなかった課題も発見できました。

お触り会後、コミュニケーションも増えたので開催して良かったです。

お触り会開催くらいから、メンバーとの距離も縮んできました

即レス・即時ドキュメンテーション

質問には即レスし、ドキュメントの不備はすぐに反映させました。この対応により、トライアルのモチベーションが向上し、参加者が自己解決できるようになりました。

想定外のエラーが発生したらすぐにドキュメントに反映し再発時の対応コストを下げます

口コミでトライアル利用者が広がる

当初10名だった利用者が口コミで広がり、最終的に27名になりました🎉

4. サーベイの取得と結果

トライアル後の成果とユーザーの声を評価するため、サーベイを実施しました。これにより利用用途や改善点についての貴重なフィードバックを得ることができました。

生産性が向上した等の嬉しい声を沢山もらいました

殆どの人が効率化と品質向上を実感

ほぼすべてのユーザーがスクリーンショットを使うタスクやコミュニケーションの簡易化と質の向上を実感しました。

1:非常に難しくなった〜5:非常に簡単・質が向上した

業務によっては大幅な作業効率UP

ヘルプページや手順書作成など、スクリーンショットを多用する業務では作業時間が大幅に短縮されました。

X軸が人数、Y軸が短縮した分数

誰でもすぐに使える

CleanShot Xは使いやすく、サーベイでも多くのユーザーがすぐに慣れたと回答しました。

1: かなり時間がかかった or まだ慣れてない〜5: すぐに慣れた

中級者向け機能も活用

基本機能に加え、長いスクリーンショットやGif、OCRなどの機能も活用されました。スターターキットが効果を発揮したようです。

よく利用する機能を複数選択で回答

9割以上の利用者が利用継続を希望

トライアル参加した27名のうち継続希望をしなかった人は2名のみ。チームで導入する部署もあり、最終的に30名での利用開始となりました。

オンボーディング自体も評価

サーベイにはトライアルについてのフィードバックや、伝えたりてないことを教えてくださいという項目を設けました。結果、今回の導入プロセスが評価されたこともわかりました。とても嬉しかったです。

フィードバックいただいた声の抜粋。本当にありがとうございます。

  • ご案内がめちゃくちゃわかりやすくてスムーズに導入できました!ありがとうございました!
  • ソフトウェアを入れた後のアフターフォロー(使い方の説明やTipの紹介など)がめちゃ丁寧で大変助かりました!
  • enpiさんのツール導入の思い、Slack専用部屋の作成、Tipsの投稿などとても素晴らしい行動だと思いました。ありがとうございました。
  • 細かいところまで丁寧にフォローいただき、使い始めがとてもスムーズにいきました。スクショの業務は加工などが必要ないことが多いので、加工・加筆などがある業務の時にまた色々な機能を使ってみたいです!

5. むすび

今回のトライアルから導入までの経験を通じて、巻き込み方や工夫次第で大きく成果が変わることを学びました。入社して間もない中で他部署の方と連携できたのも楽しい経験でした。

Slackで直接褒めてくれるKさん。彼に限らず、人柄の良さはビザスクの大きな魅力の 1 つです

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