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ビザスク開発ブログ

ビザスクのITチームが取り組んでいるヘルプデスク対応の改善

みなさま、こんにちは! ビザスクのITチーム、コーポレートIT担当のつみちゃんです。

こちらは情シスSlackアドベントカレンダーの10日目の記事です。大遅刻してごめんなさい! adventar.org 今回は、ヘルプデスク対応の運用改善について、現段階で取り組んだことについて書きます。


ビザスクのヘルプデスクについて

私たちITチームは、「世界一働きやすい社内環境をつくる」ことをミッションに掲げており、それはデバイスやツール、オフィス環境を提供することだけではなく、悩みを解消することや問い合わせ先の交通案内もそのうちの一つと考えております。 その上で当社のヘルプデスクは、helpfulな対応を心掛けております。

例えば、担当範囲外のお問合せ内容であっても突っぱねることはせずに、解決が出来そうな他チームの担当者を探してお繋ぎするようにしております。

一方で、私もカスタマーサポートからコーポレートITに転身した経験もあり、より良い業務環境を作る上でもヘルプデスクは重要であると考えております。


なぜヘルプデスクの改善に取り組むことになったのか

今回なぜ、ヘルプデスクの改善に取り組むことになったのかというと、対応品質を維持しつつ、ITチームとしての様々な課題に取り組むために、時間が必要と考えたからです。 このように考えたきっかけは大きく分けると2つです。

①ITチームの拡大に合わせて、体制・運用をよりよくしたい

特にスキルセットのバラつきによる、特定の個人への運用負荷を解消したいと思いました。

アサインされた人はヘルプデスクに対応をする必要がありますが、ほかの業務を対応する時間がなくなり、一方でアサインされていない人にはどうしてもナレッジが貯まらず、対応できる人が対応し、時間がなくなるという状態が発生していたからです。

さらにチーム向け・従業員向けに効率の良いナレッジ共有をし、既知の課題に素早く対応したいと思いました。 前述の理由とも関連して、チーム内で対応を均一化したいと考えました。また効率の良いナレッジ共有により従業員のお問い合わせを素早く解決し、事業部門はお客様と向き合う時間が増えて売り上げが増え、間接部門は従業員が快適に業務できる環境作りに取り組めると考えたからです。

②直面しそうな課題に先んじて対策をしたかったから

ビザスクは2021年に Coleman Research Group, Inc. を買収し、現在は社内環境の統合に向けた様々なプロジェクトが進んでおります。Slack や Google、その他サービスをグループ全体で利用することにより、ヘルプデスクも全拠点の全従業員からお問い合わせが来る可能性があり、対応範囲の拡大に伴って問い合わせ量の増加が予想されました。

グローバル化にヘルプデスクにおいては、言語・時差の壁を乗り越えてサポートが必要になります。英語話者のメンバーを採用する、DeepL でメンバーが頑張って対応する、英語で FAQ を作成して案内するなどのアイデアは考えつきますが、本当に課題解決たり得るのかについては、実際に対策を実行してみないと効果はわかりません。またフィードバックをいただいて、運用を改善する時間も必要です。

また現時点で方針が決まっていない、ルールが決まっていないお問い合わせが来る可能性もあります。この場合は方針を考えたり、ルールを決める必要があります。このような未知の問い合わせに対応するためにも時間が欲しいと思いました。

こういうわけで、対応品質を維持しつつ、ITチームとしての様々な課題に取り組むために、時間が必要 と考え、ヘルプデスクの改善に至りました。その上で時間を作るために、優先的に取るべきアプローチは下記と考えました。

  1. ITSMツールを用いてお問い合わせの集計と分析を行える状態にすること
  2. チーム内の体制・運用の変更を行うこと
  3. ナレッジ共有による既知の問い合わせへの効率的な対応を行うこと

    現時点で達成できたこと

1. ITSMツールを用いてお問い合わせの集計と分析を行える状態にすること

ITSMツールには、Atlassian が提供する「 Jira Service Management 」を採用しました。ヘルプデスク対応に特化していテンプレートやカテゴリ、レポート機能が標準で用意されており、チケット上で担当者や進捗を確認したり、お問い合わせの集計や分析をすることができます。

Jira Service Management について詳しくは下記のサービスサイトよりご確認ください: www.atlassian.com

Jira Service Management は今年7月に導入し、カテゴリごとにお問い合わせを集計できるようにしました。

Aggregate results
集計したことにより、今まではお問い合わせの件数やトレンドを感覚で判断していましたが、数字で判断できるようになり、ヘルプデスク対応のどこに改善点があるのかの仮説を立てやすい状態となりました。なお、導入の詳細については、改めてブログを書く予定です。

2. チーム内の体制・運用の変更

先述した目的を達成するために、Tier(階層)を分けて、それぞれの範囲で責任を果たせるように体制を変更しました。 Tier1とTier2のそれぞれの役割については下記の通りです。

Tier1 の役割

  • 既知の対応をする
  • ユーザからヒアリングをする
  • 情報収集を行う

Tier2 の役割

  • 未知の対応をする
  • 方針を決める
  • ルールを作る
  • ビジネス成長とリスクを鑑みて判断する

現在のフローと体制は下記の通りです。

flow

また Tier1 と Tier2 間の会話のラリーを少なくするために、エスカレーションノート、ディエスカレーションノートを作成しました。

これにより、Tier1 でお問合せの対応方法がわからなければ、ヒアリングしたり、情報収集をしてからエスカレし、Tier2 はそのノートを見て方針やルールを決めるように運用を変更しました。

エスカレーションノート、ディエスカレーションノートで、必ず書いていただいている項目は下記の通りです。

エスカレーションノート

お問合せ内容の要約

調べたこと、参考となる URL

Tier2 への質問

備考


ディエスカレーションノート

Tier1 への回答

上記を判断した理由、根拠

Tier1 へのお願い

備考

この2つのノートは運用を開始したばかりですが、次に取るべきアクションを明記しているため、未知の問い合わせが来ても Tier1・Tier2 間でチケットの相談を非同期で効率よく行うことができると考えております。

現時点での所感

Tier を分けた結果、ヘルプデスクに張り付く必要がなくなったことお問い合わせの方針やルール決めに集中できるようになったことが良かったと思いました。今年の7月から導入して、今月でお問い合わせ件数が1,000件を突破しましたので、 Jira Service Management での集計・分析に取り組み、効率的なFAQの作成やITチームのナレッジ共有を進めたいと思います。


最後に

業務で前例のないことに挑戦することは、先頭に立って決断することに責任を負うヒリヒリさもありますが、同時にチームや会社の未来を作る感覚があり、とてもやりがいがあります。来年もたくさん勉強して、メンバーと共に、より良いコーポレートITを目指していきたいと思います。

みなさま、今年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えくださいませ!